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動物園の鳥 (創元推理文庫)

動物園の鳥 (創元推理文庫)

坂木 司 著
定価:¥ 630 価格:¥ 630
東京創元社
おすすめ度

人間関係の終わり

 2004年に出た単行本の文庫化。
 三部作の完結編。これまでの2作とは違い、長編になっている。
 ミステリとしてのトリックや謎解きは放棄されている。そうではなく、主人公・鳥井の過去を明らかにし、また前二作で溜まった人間関係の昇華を目的に書かれた本であった。
 感傷的で涙もろく善良すぎる登場人物たちにうんざりさせられるのは前作と同じ。罪を犯した人間の改心の早さと、彼に与えられる赦しには、もう飽き飽きといったところだろうか。
 ただ、だからといって読んでつまらない本ではない。本書に描かれているのは人間心理の一面の真実を突いていると思う。それゆえ心を動かされ、ある種の感慨を得た。要するに、鳥井や坂木のような人間たちがいても良いと思うわけだ。同様に、本書のような作品の存在も認められるべきと思う。

完結。あったかいお話です。

ひきこもり探偵シリーズ初の長編で、完結編です。
鳥井と坂木は栄三郎の友人であり、動物園でボランティアをしている安次朗に、動物園に住み着いている野良猫を虐待している犯人を捕まえてほしい、という依頼を受ける。
栄三郎のために動物園まで足を運ぶ二人だが、坂木はそこで、かつて鳥井をいじめた張本人である谷越と再会してしまう……

相変わらず善意の塊のようなお話です。
少々説教くさくもあり、それが嫌だという人はいるだろうけれど、私は好き。
どこまでいっても最後にはわかりあうことの出来るあったかな人間関係と、鳥井の作るものすごくおいしそうなごはんのシーンに癒されました。
また今回は鳥井だけでなく、坂木の持つ心の傷やその他の脇役の背景なども出てきて面白いです。

坂木と鳥井の関係にも、とりあえず決着がつきました。
今までの伏線から、一体どうなってしまうんだろうとはらはらしていたけれど、こちらもあったかく落ち着いてよかったです。
二人にはやっぱり、ずっと一緒にいてほしいなあ。

ただ鳥井の幼児逆行シーンが好きな私としては、ちょっとだけ物足りなくもありました。
不安定でかわいい鳥井がもっと見たかったなあ。

最後のおまけにこれまで出てきた地方銘菓と鳥井の料理のレシピが付いています。
これはちょっとうれしかった。

完結ですね

シリーズ3部作の最終作です。
とうとう完結、残念ながらなんか物足りないというのが本音ですね。
長編でなくてもよかったのでは…、とか思っちゃいます。
どうせ長編にするならもっと凝った『謎』にするとか、
もっともっと愛すべき憎まれ役を登場させるとかしてほしかったな〜。
読後の中途半端な感じが残念でした。




共感的理解

大人になるということを表現するとこういう形もある。旅立ちというよりも巣立ちなのだろう。すがるのではなく、自らを奮い立たせるために行動を起こすのだ。他人のためではなく、自分のために生きる。ここに描かれているのは行為の実行者たちだ。よりわかりやすく、そして厳しく描かれた世界は共感が持てた。

残念

本シリーズ第一作目からずっと、「次こそは」とがっかりしながらも期待を込めて読み進めてきた最終章。この、最後が一番残念でした。
設定に惹かれて買ったのですが内容がなんともお粗末。登場人物たちが皆単純で、一度諭されたら素直に反省する姿に疑問を覚えます。私は勧善懲悪モノが好きなのですが、これは少し違います。絵に書いたような良い子ちゃんばかりでは逆にしらけます。

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